「副作用の原因(1)」では、患者さんの性別、年齢、生活習慣、体の状態などに原因があるものを見てきました。今回はお薬の服用の仕方に原因が有るものを考えてみましょう。

薬の服用の仕方に原因が有るもの
1.服用時間
 服用時間を間違えて飲んだため、思わぬ苦痛に出会うことがあります。例えば、朝食後に飲まなければならなかった利尿降圧剤を忘れたからといって夕食後に飲んだ場合、夜床についてから何度もトイレに行く事になり、睡眠が妨げられます。
 また、寝る前に飲むようにと指示された花粉症のお薬や睡眠薬などを朝食後飲んだ場合には、その日1日中、眠かったりボーとしたりして、転落や怪我をする可能性があります。

2.服用間隔
 熱冷ましのとんぷくや坐薬を指示された時間を経ずに飲んだり、肛門に挿入した場合、病気を治すために必要なお薬の濃度を遥かに超えてしまうため、効き過ぎや低体温によるショック状態になったり、吐き気がしたりします。

3.服用量
 日常生活で、ついうっかり間違ってしまうのが服用量です。仕事などで忙しい時、飲んでないつもりで重複して飲んだり、飲んだつもりで飲まなかったりがあります。これが糖尿病や血圧のお薬でしたら、被害はかなりのものです。糖尿病のお薬の重複は低血糖をきたし、だるくて倒れたり、気を失ったりしますし、飲み忘れも人によってはだるくなったりケイレンを起こしたりします。利尿降圧剤の重複はいつもトイレを探すような状況になり、非常に辛い思いになったり、力が入らないようになったり、めまいがしたりします。飲み忘れた時は人によってはのぼせ、頭痛、肩凝りなどが生じたりする場合があります。

4.使用方法
 お薬の飲み方によって、お薬が食道につかえて苦しい思いをしたり、舌がしびれた経験はないでしょうか?お年寄りになると顆粒や粉を飲む時、つぶつぶが入れ歯の中に入ってしまったり、唾液が減っているためあちこちにくっついたりしてしまいます。炭酸水や牛乳でお薬を服用しますと十分な効き目がでなかったり、効果が強く出たりします。また塗り薬でもつけかたを間違えると副作用の原因になります。

5.相互作用
 医師に診てもらって出されたお薬と市販されているお薬の飲み合わせにより、効果が出過ぎたり、めまい、吐き気、湿疹などが出たりすることがあります。このような飲み合わせは、お薬と飲食物でも同じ様な被害が発生することがあります。病気を拡大しないためにも、お薬を出される所でよく相談し、納得の上、その指示に従って下さい。

 

 

 

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