このごろ家庭用血圧計がだいぶ出回っています。やがて一家に一台というふうになるかもしれません。ご家庭で血圧を測ることは、意義のあることです。今回は血圧計のお話です。
          
血圧について
 医師に血圧を測ってもらいますと、「上が125,下が76です。大丈夫ですね。」などといわれます。ここで「上」というのは最大血圧(収縮期血圧)のことで、心臓が収縮して血液が押し出され、血管が大きくひろげられたときの圧力をいい、「下」というのは最小血圧(拡張期血圧)のことで、心臓が拡張して血液を吸い込み、血管がもとに戻ったときの圧力をいいます。 血圧は世界保健機構(WHO)によって、年令に関係のない一つの基準が定められています。
          
血圧計
 以前は血圧計といえば、血管の脈打つ音を聞きながら、水銀柱の高さを読みとるというもので、ちょっとご家庭に持ち込むわけにはいきませんでした。しかし、この頃は電子技術が進み、脈を自動的にキャッチして、ランプの点滅、電子音などで示してくれるものがあります。さらに進んだものは、最大血圧と最小血圧を自動的に感知して、その値をそのまま表示してくれるものまで出てきました。ここまでくると測定方法さえ正しければ、誰でも血圧を測ることができます。

 

  最大血圧(mmHg) 最小血圧(mmHg)
至適血圧1 120未満 80未満
正常血圧 130未満 85未満
正常高値血圧2 130-139 85-89
高血圧 140以上 90以上
高血圧(軽 症) 140-159 90-99
高血圧(中等症) 160-179 100-109
高血圧(重 症) 180以上 110以上
高血圧(収縮期) 140以上 90未満

※ 世界保健機関(WHO)/国際高血圧学会(ISH) (1999年2月)

血圧を測るには
 いくら血圧計が良くても、測り方が悪くては正確な血圧は得られません。布の巻き方、検知装置の当てる場所などが重要です。これらを含めて、正しい使い方を一度よく専門家から説明してもらいましょう。また、得られた数値の解釈も、自分の流儀で行わないことです。血圧は、条件によってさまざまに変化します。暑いか寒いか、午前か午後か、食後か、運動後かなどが影響しますし、精神的なものも影響してきます。こういうときに測ったら、いくつでしたと医師にお話ししてみましょう。医師の前では緊張して血圧が高くなる人があります。そういう人は、ご家庭で測った数値が意義をもってきます。
 なお、血圧計は精密な電子機器ですから、取り扱いはていねいに、また年に一度ぐらいは検定を受けるようにしましょう。

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