にきびは、専門的には尋常性座瘡(じんじょうせいざそう)といい、皮膚に脂を供給する皮脂腺のはたらきが活発になって、脂が出過ぎるのがきっかけです。その原因は性ホルモンのアンバランスといわれます。
 この脂、本来は汗と一緒に皮脂膜をつくり、肌を守ってくれる大切なものなのです。出過ぎるだけならばそれほど問題はありません。
 ところが皮脂腺の出口が詰まると大変。行くところがなくなった脂は、真皮と呼ばれる組織に侵入して炎症を起こします。これがにきび。ツメでかいてバイ菌が入ると化膿して、跡があばたになって残ってしまうことがあります。

 にきびは、日常生活上の配慮が大切です。
日に何度か洗顔しましょう。また、汗をかいたらすぐに拭いてください。ただし、あまり強くこすらないこと。
甘いものはよくないようです。チョコレートやナッツ、コーヒー、クリーム、バター、チーズなども避けた方がよいといわれます。
睡眠不足や過労にならないようにしましょう。
便秘も肌によくありません。朝は少し早めに起きてトイレに。
隠そうとしてお化粧を厚くしたり、髪形を変える人がありますが、化粧品や髪が皮膚を刺激しますから、逆効果です。
心理的影響もあります。気にしないことも大切です。にきびは数えるなといわれます。
 
 にきびのお薬には、皮脂腺のはたらきを抑える硫黄を含んだ軟膏や溶液がふつうです。医師はよく石灰水に硫黄などを入れたクンメルフェルド氏液を使います。ほかには二硫化セレンを配合したもの、テトラサイクリンなどの抗生物質を使うこともあります。

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