病院に行くと、たいてい血液や尿をとって臨床検査が行なわれます。臨床検査は今や病気の診断になくてはならないものになっています。
 最近になって、尿の中の糖や蛋白の量を測るための検査セットが薬局で市販されるようになりました。厳密なものではありませんが、一応の目安としてはとても役立ちます。自分の健康を自分で見つめることも大切なのです。
          
尿糖とは
 ここでいう糖はブドウ糖のことで、私たちが活動するためのエネルギーの源です。血液の中の糖はだいたい量が一定しており、これをコントロールしているものがインスリンというホルモンであることは、どこかで聞いたことがおありでしょう。
 何らかの原因で血液の中の糖が増えますと、尿の中に糖が出てきます。これが糖尿です。ただし、糖尿すなわち病気というわけではありません。たとえば食事のすぐあとには一時的に糖尿が見られます。お腹に赤ちゃんがいても糖尿になることがあります。
          
尿蛋白とは
 蛋白も私たちの栄養として大切なものです。蛋白は、健康な人でもいくらか尿の中に出ているものです。この量が増えてくると、尿が濁って見えることがあります。
 尿の中の蛋白が増えたときはまず腎臓が疑われます。カゼをひいて熱があるときなども尿蛋白が見られます。しかし、激しい運動や精神的興奮だけでも尿蛋白は増加しますので、ほんとうに何らかの疾患によるものかどうか確かめる必要があります。
          
説明書をよく読みましょう
 正しい検査を行なうための基本は説明書です。間違った使い方では正しい結果は得られません。次にいくつかの注意点を示します。詳しいことは説明書を読むか、薬局で説明を受けてください。
いつ尿をとるか。
 検査するものによって違います。糖は食後1〜2時間、蛋白は起床直後が原則です。
尿を取る容器を用意しなければならないとき。
 ガラス、紙、プラスチックなどどんな容器でも構いません。よく洗って洗剤などが残らないようにすすいでから、水をきっておきます。
どれぐらい尿をとるか。
 試薬部分が容器に触れずに、完全にひたせるぐらいとります。ものにもよりますが、1cmもあれば十分です。また、出始め2〜3秒の尿はとらないでください。
検査時間は?
 製品によって違います。説明書をお読みください。
検査薬の保管は。
 普通のお薬と同じように扱ってください。冷蔵庫に入れてはいけません。使用期限にもご注意ください。
少し、あるいは多めに検出されたら。
 もう一度検査して、それでも検出されるようでしたら、その結果をもって医師の診察を受ける必要があります。これは特に大切なことですから覚えておいてください。

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