吸入補助器具の役目
 吸入薬を使用するときにただ無造作に口の中に「シュッ!!」とボンベを押しているだけではありませんか?これですと残念ながら薬の効果はあまり期待できません。呼吸とボンベを押して吸入するタイミングを合わせて上手に吸入しないといけないのです。
 なぜかというと、薬の効果が十分発揮できなかったり、口の中やのどの入口に薬が残り付着していますと炎症を起こしたりするからです。場合によっては体のふるえ、声がかすれる症状が生じることもあります。そういったことを解消するために吸入補助器具を使用するのです。
 なお、呼吸の状態が良好でなく重症の発作時には吸入補助器具を使用しないケースもありますので、使用に関しては必ず医師に確認してください。
           
吸入補助器具のメリット
 まず第一は、吸入補助器具を使用しないで吸入するときは呼吸とボンベを押すタイミングを合わせないといけないのですが、吸入補助器具を使用すると無理にタイミングを合わす必要がなくなることです。
 次は、薬を吸入補助器具に噴霧して入れることで薬がガス状でも逃げずらくなり、それをゆっくり深く吸うことで薬の十分な効果が発揮され、また口の中に薬が残らなくなり副作用の防止、減少になることがメリットといえます。
           
操作手順
 吸入補助器具の種類によって多少の違いはありますが、基本的な手順を説明します。
 吸入薬を吸入補助器具に取り付ける
 ボンベを1回押して器具の中に薬を噴霧する
 ゆっくり深く吸い込む
 吸い終わったら数秒間(約5〜10秒)息を止める
 ゆっくり息をはきだす
以上までの操作を医師の指示する回数行います。最後にうがいを忘れずにしましょう。
           
管理方法
 吸入補助器具は使用後に温水で洗浄し完全に乾かしてから清潔な袋に入れてください。毎日洗浄することができなければ、数日に1度でもよいので洗浄して下さい。
 洗浄時に器具の内側にキズをつけると、ごみや細菌がたまるおそれがありますので、柔らかいスポンジなどを使用したらよいでしょう。
           
吸入補助器具の種類
 使用する用途や状況により大型のものや小型のもの、あるいは材質が違うソフトタイプ、ハードタイプがあります。基本的な操作方法はだいたい同じですが、必ず使用時には事前に直接医師・薬剤師に指導をうけてください。
 補足ですが、安全に使用していただくには吸入薬と吸入補助器具のメーカーが同じであることが望ましいです。メーカーが異なっても接続する口のサイズが合えばよいのですが、種類によっては合わないものもあります。そのような時は医師・薬剤師に早めに相談してください。

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