お薬の相互作用という言葉を聞いたことがありますか?
 体調をくずした時、病気の時、たよりになるのはまず身近な薬局、そして医師ですね。
 その症状によって、薬局でお薬を購入したり、病院・診療所などで診察を受け、処方せんが出され、薬剤師が調剤し、お薬が手渡されることでしょう。
 2つ以上のお薬を同時に飲むと、組合わせによって1つのお薬ではみられない作用が現れたり、それぞれの作用が強く現れたり、逆に弱くなったりする場合があります。
 これを、このお薬の間には「相互作用」があるといいます。
 
どんなときに注意したらよいか
 現在の医療は症状にもよりますが、複数のお薬を治療に用いることが多く、良い結果をだしています。
 成人病を例にとりますと、悪いところが1つということは少なく、いくつかの症状を合併していることが多いのです。このような場合には、どうしても複数のお薬が投与されることになります。このため、処方せんを発行する医師も、調剤する薬剤師もそれぞれの立場から何種類ものお薬をチェックし、有害な相互作用をできるだけ避けるよう、いろいろな工夫をしていますが、患者さん自身も気を付けなければいけないこともあります。

患者さん自身が注意しなければいけないこと
 それは同時にいくつかの病院・診療所などにかかっていて、それぞれからお薬を処方してもらっている場合や、日常生活で一般用医薬品を常用している場合です。それぞれの医師が効き目を期待してお薬を処方するために、思いがけない相性の悪い組合わせになって、相互作用が現れる可能性があります。また、一般用医薬品を使用していることを医師や薬剤師に伝えることを忘れたために、その一般用医薬品と処方されたお薬との間に相互作用が現れることがあります。さらに、普段なにげなく口にしている飲食物や嗜好品の中にも、お薬との相互作用を起こすものがあるので注意が必要です。

薬の相互作用を防ぐには
 複数の医師に診察を受ける時には、他の医師から処方された薬を必ず持参し、見せる。
 現在飲んでいる一般用医薬品があったら伝える。
 薬局で一般用医薬品を購入する時、処方せんの調剤を依頼する時も同じく服用しているお薬を薬剤師に報告する。
 自分の飲むお薬と一緒に食べてはいけないもの、飲んではいけないものを確認しておく。
 「かかりつけ薬剤師」を決めて、お薬のことは全てその薬剤師に相談する。

 これで「お薬の悪い相互作用」の心配はなくなります。安心して治療に専念して下さい!

 

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