ネズミは、1日に体重の1/3〜1/4を食しないと餓死するといわれ、社会に対する被害は莫大なものとなります。また、伝染病を媒介したり、まれには乳幼児を咬み殺してしまうことさえあります。

ネズミの種類
ハツカネズミ
 農家の納屋、畑、米びつ、戸棚などに住み、都市ビルなどにも増えてきています。体長は7センチ程度、尾は6センチ程度で小さい種類です。
クマネズミ
 もとは樹上生活をしていたものが人家に入り込んだものです。主に天井裏、壁のすき間、引き出し、戸棚などに住み、夜、台所などでえさを求めます。体長は18cm程度、尾は20cm程度で尾の方が長いのが特徴です。

 

ドブネズミ
 元来は水辺に穴を掘って住んでいるもので、人家に入ることはあってもそれほど深くは入りません。台所、物置、畜舎などで生活したり、石垣や土手に住みついたりします。体長は20cm程度、尾は18cm程度でクマネズミと逆に尾の方が短くなっています。耳が小さいこと、水泳が得意なことも特徴になっています。

野ネズミ 
 上の3種類を家の中で見かけることから家ネズミといいますが、野ネズミというのはそれに対することばで、上の3種以外のネズミの総称です。田畑や山林に住み、樹木や農作物を荒らします。ネズミはとても用心深く、頭もよくて苦痛の経験などはいつまでも覚えています。ですから毒を用いるにしても激しい興奮やケイレンを起こさせるようなものは使えません。あくまでも自然死をしたようにみせかけなければならないのです。


殺鼠剤の種類
クマリン
 家庭ではいちばん多い殺鼠剤です。もともとは血液の凝固を抑える医薬品で、これを食べたネズミは内臓出血や貧血のために死んでしまいます。しかも視力も衰えてくるので、明るいところへ出てくるようになるので好都合です。ワルファリンの中毒量は数グラムとされ、出血性素因をもっている人はこれより少なくなります。この殺鼠剤をあやまって食べても死んでしまうことはまずありませんが、万一食べたときはすぐ病院に行きましょう。
その他の殺鼠剤
 昔は「猫イラズ」の商品名で親しまれた黄リンがずいぶん使われました。しかし、黄リンは毒性が強いので今はほとんど使われません。
 他にはリン化亜鉛、タリウム、ヒ素、ノルボルマイド、モノフルオール酢酸ナトリウムなどがあります。モノフルオール酢酸ナトリウムは農薬ですが、特定毒物といって特に毒性が強く、事故が起こると大変危険なので使用はとくに厳しく規制されています。

殺鼠剤以外では…
 昔からのバネ式のネズミ捕りと捕鼠かごがありますが、最近は粘着式のシートがあります。これはネズミがくっついて暴れるうちに、かえって体に巻きついて動けなくなってしまうものです。
 なお、ネズミ退治はエサを置かないこと、通路をふさぐことなども大切です。殺鼠剤を使用したときは、乳幼児やペットがあやまって食べたりしないように十分注意してください。

 

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