トリクロロエチレンやテトラクロロエチレンなどの化学物質、ゴルフ場などで使用する農薬、あるいは病原性大腸菌など、地下水汚染の問題が新聞や雑誌に取り上げられ、井戸水愛好者を困惑させています。井戸水は所有者自らが管理することとなっているので、日頃から次のことに注意して衛生的な管理を心がけましょう。
コップに水を採って、色、濁り、臭いなどに異常がないかどうか点検する。
井戸や貯水タンクの周りの点検、掃除を行い、清潔に保つ。
飲み水が飲用に適するかどうか、年1回水質検査を受ける。

トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンとは
 新聞などでトリクロロエチレン、テトラクロロエチレンが地下水を汚染しているという記事をみかけます。
 トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどは、もともと自然界には存在しない物質で、燃えることもなく、爆発することもないきわめて安全な物質です。油をはじめいろいろな物質をよく溶かすので、クリーニング店や工場で機械を洗うのに大量に使われ、その廃液が地下水に浸み込み、井戸水に入り込んだものです。現在は廃液をそのまま捨ててはならないことになりましたが、過去の汚れをきれいにするのは大変難しいのです。
 トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどは、中枢神経の働きを抑えたり粘膜を刺激したりしますが、強い毒性はありません。厚生労働省はこれらの物質について飲料水中の許容濃度を示していますが、これに合格していればまず、心配ありません。
 基準をはずれている水は、何らかの対処が必要です。まず地区の保健所に連絡して、指示にしたがってください。できれば上水道に切り替えるとよいのですが、できないときは家庭用浄水器(デパートや水道工事店などで購入できます。)を使用するとよいでしょう。この場合は、お店で使い方をよく聞いて取り付けて下さい。なお、これらの物質は水を煮沸すれば除去することができます。

水質基準
 厚生労働省では飲料水としての適否を判断するための基準として、一般細菌、大腸菌群等26項目を定めています。飲食店などいろいろな人が飲む水を扱うところには、水質検査が義務付けられています。
 一般家庭の方で水質検査をご希望の方は、もよりの保健所にご相談ください。

 

 

 

 

無断転載を禁じます。社団法人千葉県薬剤師会
Copyright 2004 Chiba Pharmaceutical Association